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　●国労つぶしがもたらしたもの

　　−社会のイジメ・荒廃・リストラ−

　現在、1047名の解雇された鉄道労働者がJRへの復職を求めて、13年間自活体制をつくって闘っています。それが国鉄闘争と呼ばれている戦後最大、世界でも稀にみる大争議です。

　国鉄が分割・民営化された時、国労組合員に対してありとあらゆるイジメが行われました。仕事を奪い隔離する「座敷牢」（人材活用センター）が作られ、1万人が放り込まれました。組合脱退が強要され人間関係をズタズタにされ、最終的には国労組合員という理由だけでJR採用を拒否され、解雇されました。こうした攻撃で、20万人いた国労は10分の1にまで激減しました。政府が、労働組合法を無視してこれだけの労働者イジメをしたことは日本の歴史でも初めてでした。「お上にタテつけばこうなる」という風潮がつくられました。その結果は、総評・社会党の解散であり、闘わない「連合ユニオン」時代の到来でした。　それから10年、社会の荒廃はすすみ、働くものはリストラに戦々恐々とし、うっ積した不満は弱い者へのイジメとなってあらわれています。

　しかし一つだけ政府の誤算がありました。それはこれだけの攻撃にも耐えて2万余の国労組合員が残ったことでした。

　●自分を裏切らなかった人たち　

　この作品の主人公は、年代も職場も違う３人の国労組合員、いずれも理不尽なイジメや解雇にあいながらも、けして自分の良心を裏切らずにこの10年余を生き抜いてきました。その人達の生きざまを貴重な過去の映像を交えてドキュメントしていきます。

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