“闘争”という言葉になじめない、若い友人に薦めたい−ドキュメンタリー映画専門誌 NEOのアンケート結果より−
インターネットのメールマガジンである「ドキュメンタリー映画専門誌 NEO」は、新年号（45号）で「2002年の収穫」と題したアンケート結果を発表した。28名の全回答を掲載したが、「昨年の、わが一押しのドキュメンタリー映画は？」の問いに「人らしく生きよう」を選んだ人がいた。以下はそのコメント。NEOマガジン編集部の了承を得て掲する。なおメルマガの登録は、 http://www.ytv.co.jp/magazine/neo/index.html で出来る。
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■江利川 憲（フリー編集者、シネ・ヌーヴォ代表取締役）
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（1）『人らしく生きよう――国労冬物語』（取材・撮影・構成＝松原明、佐々木有美）。
見終わって、なんともやり切れない思いに圧倒されそうになる。その一方で、国労闘争団家族会の藤保美年子さんや、解雇された佐久間忠夫さん、大谷英貴さん、疎外された職場に押し込められている山田則雄さんたちの、まさに「人らしい」言葉に胸が熱くなってくる。自分たちが正しいと思ったことを、頑固に、地道に、力強く守り抜いてきた人々の精神がうつくしい。「闘争」という言葉になじめない、と言っていた若い友人に、ぜひ薦めたい映画だ。