国鉄の分割民営化に伴い解雇された国労組合員や家族の苦悩を描くドキュメンタリー映画「人らしく生きよう―国労冬物語」（松原明、佐々木有美共同監督、百分）の上映会が十五日、福岡市南区高宮の同市女性センター「アミカス」四階ホールで開かれる。グローバル化に伴う社会問題検証などに取り組む非政府組織（ＮＧＯ）「ＷＯＷ！Ｊａｐａｎ」（福岡市）の主催。
映画は、ＪＲ発足（一九八七年）の前年から、政治的解決の枠組み「四党合意」の受け入れを決めた国労定期大会（二〇〇一年一月）までの約十五年間の動きを追いかけた。ＪＲ発足時、千四十七人が不採用となり、その大半が国労組合員 。アルバイトなどを続けながら職場復帰を目指す国労闘争団員とその家族の苦悩、国労本部と四党合意に反対する組合員との対立などを描いた。
昨秋、東京で上映され、国労闘争を知らなかった若者らの共感を呼んだ。今年に入り、全国百カ所で各地の団体が自主上映を目指している。 当日は、映画に出演した北海道や九州の闘争団員や家族との意見交換会もある。主催者は「民営化に伴い、実際にあった事実を多くの人に知ってもらい、何ができるのか考えてもらいたい」と話している。
上映は午後二時と午後四時半の二回。入場料千円（前売り八百円 ）。問い合わせは川口さん＝０９０（８３９６）７２６８。