このドキュメンタリーのクライマックスは、その臨時大会の時、闘争団員の内の一人の夫人が、
壇上にかけあがってマイクを握り、闘争続行をうながす意見を、一人の生活者として
せつせつと訴え続けるのを撮った、長いシーンである。
それに「闘う人ほど人らしく生きれることを、知っていますか?」という歌が、
ダブってくるシーンが、胸をうつ。考えてみると、何だかこれは
日本人の戦後史の象徴のようにも思えてくるからだ。大多数の人間がだんだんに、
なあなあの精神でたてまえを崩し、現状の不合理に妥協を重ねてきてしまった、
苦い苦い歴史である。（本文から一部紹介）
→「部落解放」は解放出版社発行06.6561.5273